タルパ戦争《第一部》あらすじ

タルパ戦争⋯⋯
それは今から15年前、オカルト界の一角で起きた珍事件である。
「こんなことができたら面白いだろうね」
浮き草氏とホロ女史のこの何気ない会話が⋯⋯
すべての不幸の始まりとなる。
浮き草氏は自身が提唱したダイブをさらに進化させるべく、共有ダイブと呼ばれる技の開発に着手した。
携帯電話やインターネットの普及、時代の変革に伴い衰退し始めたテレクラに対する万感の思いも重なっていた。
実証実験の段階であるにも関わらず、タルパ界隈でこの新しい技が脚光を浴び、たちまち持てはやされ始める。
気づけばタルパーたちの間で流行り、頻繁に行われるようになっていた。
だが⋯⋯
まだ、確立された技術ではない。
実践性の根拠が曖昧であり、当時のタルパーたちは何をもって共有ダイブと称しているのか⋯⋯
浮き草氏は徐々に強い不安に囚われるようになって行った。
共有ダイブは音声通話サービスSkypeを利用する形で行われていたため、浮き草氏は一方的なわいせつ電話による迷惑行為も危惧していた。
そして、遂に恐れていた事態が発生した。
いや、浮き草氏の想像の斜め上を行く事件が次々と発生し始めた。
遠隔念力による共有ダイブと称し、Skypeを利用しない形での他ルパーのダイブ界への干渉⋯⋯他ルパーや他ルパを〇イプしたり、他ルパを誘拐したと宣言する輩が現れたのだ。
こうした行為はSNSの捨て垢を通じて行われた。これには浮き草氏は度肝を抜かれるも怒りに震えた。
「絶対に犯人を特定してやる!!」
かくして⋯⋯
タルパーたちの共有ダイブの実践性の確認、検証も兼ねた⋯⋯セクハラ犯の炙り出し、特定を目的とした実験が浮き草氏によって計画される。
ホロ女史の暴走した美少女タルパを鎮圧(セックス)して、ホロ女史の意識をダイブ界から解放する⋯⋯
しかし、これまた浮き草氏の思わぬ方向に事態が転がり始め、共有ダイブの実態が浮き彫りにされる。
タルパ戦争は二日間に分けて行われ、浮き草氏のガイド(催眠誘導)により様々な条件で実験、検証が行われたのだが⋯⋯浮き草氏の呼びかけに応じた者たち全員が、共有ダイブはおろか通常のダイブすらできないことが判明した。
つづく