タルパーたちの戦後|本物と化したタルパ戦争

浮き草氏は思わぬ出来事に有頂天となる。
言われるがまま、男の後に付いて行く。だがしかし、この男の正体は、実は⋯⋯いや、今はなんでもない。この男が乗って来たものだろうか?公園脇に止めてあったハイエースに手招きされて一緒に乗り込む。
近くの事務所まで⋯⋯
そう言っていたはずだったのだが、しばらくすると首都高へ乗り入れ、市ヶ谷方面に向けて走り始めた。
助手席に押し黙るよう座る浮き草氏⋯⋯
そして、思わぬ場所に到着する。物々しく厳重に警備されている大きな正門に度肝を抜かれる浮き草氏。そこは防衛省だった。
男は警備していた自衛隊員に身分証明書のようなものを提示すると、中へ入るよう指示された。
ハイエースはゆっくりと防衛省の敷地内へ入る。
「凸都大学文学部四年、浮島譲司⋯⋯京都にある有名神社が実家であり、大学ではオカルト研究会を主催する代表⋯⋯だったかな?高校生時代はやけにモテたようだね。2ちゃんねるのオカルト板でも目立っていたようだな」
突然、男が浮き草氏のことを饒舌に話し始める。
「なっ、なんで⋯⋯そこまで僕のことを知ってるんですか!?今、さっき⋯⋯僕はあなたに勧誘されたばかりだ!!」
これに驚く浮き草氏⋯⋯
「タルパ戦争だったかな⋯⋯すべて調べはついているよ。でなきゃ無試験で幹部候補生学校になんか入れないよ。霊能者なら誰でもいい訳じゃない。君はすでにあらゆる検査にパスしているんだ。今日は言うなれば最終試験日だ」
驚きのあまり、無言になる浮き草氏⋯⋯
浮き草氏は車から降ろされると、防衛省本庁舎内へ通され、そのまま地下室のような場所に案内⋯⋯と言うよりは、完全に隔離状態にされた。
無音響室のような狭い部屋に閉じ込められ、真正面の窓から先程の男と⋯⋯白衣を着た研究者風の男たちがこちらを見つめていた。
《浮島君⋯⋯ちょっと、苦しいかもしれないが我慢して耐えてくれ》
男がマイクを通じて、そう呼びかけてきた。直後、何やら重低音のような振動、響きが部屋全体でうなり始める。
「なっ!!こ、こ⋯⋯これは一体何ですか!?」
《サイコキネシス耐性検査を行う。君が実戦投入された場合を想定したテストだ。中国やロシアには超能力を駆使する兵士もいるからね》
「う、うおぉおおおおおお!!!!!」
次第に振動は強力なものとなり、浮き草は絶叫した⋯⋯
10分間にわたり全身全霊の苦痛を味わい続けた。しかし、浮き草氏は見事にテストにパスする。
つづく