タルパーたちの戦後|若者よ!現実世界を見ろ!セックスしろ!

無事、テストは終了した模様だった。
椅子の上でぐったりとする浮き草氏⋯⋯無音響室のドアが開かれ、例の男が中へ入って来る。浮き草氏はかすむ目で男を見つめながら問いかける。
「これで⋯⋯僕は合格なんですか?」
「いや、実はもうとっくに合格しているよ。これは君の入隊準備に向けたものだ。事前に取得しておきたいデータもあったからね」
「あなたは一体⋯⋯本当に何者なんですか?」
「それは内緒だ。知らん方がいい。もう、久留米での生活のことだけを考えていればいい。あと、残り少ない大学生活も今のうちに楽しんでおけ」
「でも⋯⋯いつ、合格していたんです?」
「君が公園で泣いている姿を見た時だな。私がそう決めた。タルパ界隈は承認欲求にまみれたアホばかりだが⋯⋯君はそうじゃない様子だ。じゃ、後で詳しい資料や書類は君の下宿先に郵送しておくからな」
男はそう言うと部屋から立ち去る。これに変わるよう、若手の女性自衛官が浮き草氏に近寄り、出口まで案内して見送ってくれた。
浮き草氏はJR市ヶ谷駅方面に向かって歩く。その帰り道で打ちひしがれていた。自分は所詮、アマチュアの霊能者に過ぎなかったんだと⋯⋯プロは気配すら消して行動している事実に驚愕していた。
だが、就職先は決まった。
下宿に辿り着くと、京都の実家へ電話を入れる。
「あ、もしもし?父さん?僕だよ。就職先⋯⋯決まったよ」
《ああ、知ってるよ》
「えっ!?」
《ウソだ。冗談だ。でも、おめでとう》
「やだな。父さん。とりあえず⋯⋯」
《自衛隊だろ?お国のためにがんばれよ》
「えっ!?それも冗談⋯⋯冗談??冗談だよね??」
《あと、お前が狐の動物霊と交際しておるのは知っておる。お前、週に何回くらい彼女とセックスしていた?》
「⋯⋯」
《しょうがない⋯⋯将来は養子でも迎えろ。他に隠していることは何もないよな?正直に言うなら今だな》
「父さん⋯⋯すまない。実は⋯⋯でも、それ以外はウソをついていません!!」
《わかった。で、週に何回くらいや?後背位ばかりか?》
その後、浮き草氏は小一時間にわたり⋯⋯父親から彼女との性生活を根掘り葉掘り問い質されたのであった。
つづく