タルパーたちの戦後|若者よ!現実世界を見ろ!セックスしろ!

投稿日 2025.08.23 更新日 2025.08.23

 無事、テストは終了した模様だった。

 椅子の上でぐったりとする浮き草氏⋯⋯無音響室のドアが開かれ、例の男が中へ入って来る。浮き草氏はかすむ目で男を見つめながら問いかける。

「これで⋯⋯僕は合格なんですか?」

「いや、実はもうとっくに合格しているよ。これは君の入隊準備に向けたものだ。事前に取得しておきたいデータもあったからね」

「あなたは一体⋯⋯本当に何者なんですか?」

「それは内緒だ。知らん方がいい。もう、久留米での生活のことだけを考えていればいい。あと、残り少ない大学生活も今のうちに楽しんでおけ」

「でも⋯⋯いつ、合格していたんです?」

「君が公園で泣いている姿を見た時だな。私がそう決めた。タルパ界隈は承認欲求にまみれたアホばかりだが⋯⋯君はそうじゃない様子だ。じゃ、後で詳しい資料や書類は君の下宿先に郵送しておくからな」

 男はそう言うと部屋から立ち去る。これに変わるよう、若手の女性自衛官が浮き草氏に近寄り、出口まで案内して見送ってくれた。

 浮き草氏はJR市ヶ谷駅方面に向かって歩く。その帰り道で打ちひしがれていた。自分は所詮、アマチュアの霊能者に過ぎなかったんだと⋯⋯プロは気配すら消して行動している事実に驚愕していた。

 だが、就職先は決まった。

 下宿に辿り着くと、京都の実家へ電話を入れる。

「あ、もしもし?父さん?僕だよ。就職先⋯⋯決まったよ」

《ああ、知ってるよ》

「えっ!?」

《ウソだ。冗談だ。でも、おめでとう》

「やだな。父さん。とりあえず⋯⋯」

《自衛隊だろ?お国のためにがんばれよ》

「えっ!?それも冗談⋯⋯冗談??冗談だよね??」

《あと、お前が狐の動物霊と交際しておるのは知っておる。お前、週に何回くらい彼女とセックスしていた?》

「⋯⋯」

《しょうがない⋯⋯将来は養子でも迎えろ。他に隠していることは何もないよな?正直に言うなら今だな》

「父さん⋯⋯すまない。実は⋯⋯でも、それ以外はウソをついていません!!」

《わかった。で、週に何回くらいや?後背位ばかりか?》

 その後、浮き草氏は小一時間にわたり⋯⋯父親から彼女との性生活を根掘り葉掘り問い質されたのであった。 

つづく