Young Heso Wright ~翻訳の迷宮~ 存在しないはずの王国

投稿日 2025.10.30 更新日 2025.10.30

 トトバースの歴史を語ろう⋯⋯

 私?

 私の名はウリエノール・ボーカー、ピクシティ大学で歴史学の教授をしております。ちなみに独身で嫁さん募集中です。

 こんなおっさんで良ければ、誰か結婚してくれませんか?美少女であれば文句は言いません。

 さて、本題に入ろう。

 これは今から2525年前の話になります。

 現在のウィキスタン、ヲティスタン、アナテスタンの三共和国のある地域は⋯⋯サラーシッナァーン王により統一され、タルパ王国と言う一つの巨大な国にまとまっておりました。

 サラーシッナァーン王は「樽は樽を転がさない」の名言で知られ、ハラホロヒレ大王と宿命の対決をした王ですね。

 どうして三つの国に分かれたのかと言うと⋯⋯

 まぁ、歴史上、大小問わずどの王朝でも起こり得る問題ですが、後継者争いによる分派化が原因と言えます。

 サラーシッナァーン王の場合、極度の女性嫌いであったため子供はおりませんでした。一説のよると男の娘が好みだったようです。

 しかし、後継者を指名せずに死去したため⋯⋯

 チョー家、ハワード家、ポックノーレ家の有力貴族同士が争いを始め、現在のような三国分離に至ります。

 それぞれの家が⋯⋯ウィキスタン王国、ヲティスタン王国、アナテスタン王国として分離します。

 この三国間同士による国境線や領土配分を巡る争いは長く続きます。近年になり⋯⋯ようやく、最後の問題が解決に至り、この地に安寧がもたらされたかのように思われました。

 しかし⋯⋯

 三つの王国は民政移管も完了して共和国となるも、それぞれの国内は治まらず、ウィキスタン共和国は深刻なデフレ経済に見舞われ無気力化⋯⋯ヲティスタン共和国は内乱状態⋯⋯アナテスタン共和国は壊滅状態に陥ります。

 ちなみに、最後の問題とは⋯⋯

 タルパ戦争と呼ばれる事変になります。

 サラーシッナァーン王とハラホロヒレ大王との争い、古代タルパ戦争になぞらえ、近代におけるタルパ戦争と呼ばれることになります。

 ハラホロヒレ大王の子孫を名乗る人物が蜂起した出来事になります。

 存在しないはずの王国の王位継承権を巡り⋯⋯サラーシッナァーン王の生まれ変わりと自称する謎めいた人物との争いになります。

 まぁ、次回以降、詳しく説明していきます。

つづく