フロイト心理学と現代群衆心理学の融合仮説

2026.08.11
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人間とは何か?他の動物とは大きく異なり⋯原始的な欲求本能である性欲を、アイデンティティーに昇華させて、自分らしい人生を模索しようと言う生き物になります。生命の本質である種の存続、セックスはその過程としてものであり、性に対する考え方は人それぞれとなる。しかし、性欲は本能から脱し切れるものではない。潜在意識レベルで自我を支配しており、自己の存在的価値観との間で葛藤して悩み続ける。若い人ともなればセックスを悩ましく夢見るものだ。第二次性徴期を迎えれば人は自然とそうなる。同時にそうした体の変化が見られる思春期前後は、学校での集団生活を通じて社会性を身につけるプロセスとも重なる。故にフロイト心理学と集団心理学には一定の相関関係があるのではないかと思う。それを前提に各種の社会現象を考察してみたい。

環境と人間関係は選ぶべき

フロイト自身も自我を集団心理学の観点から研究しており、同一化と呼ばれる概念を定義しております。リビドー(性欲)に着目した人間の内面性の変化だけを研究していた訳ではありません。同一化とは⋯投影と似ておりますが、逆の作用をもたらすもので、相手の良い面を自分に取り込む現象で、他者との関係性を通じて、人格形成を担う大きな外的要素となります。無意識に刷り込まれるもので、不安感や劣等感を緩和する心理的防御プロセスだとも考えられています。人間は基本的に群れたがる生き物です。エコーチェンバー効果も相まって強固なものとなります。エコーチェンバーと言うと一般的に悪い意味合いに受け取られがちですが、仲間意識や結束力と言った集団心理もこれに基づくものです。とりあえず、環境と人間関係は⋯本当に選んで行動すべきだと言えますね。

類は友を呼ぶ原理

人間関係は相対的であるも⋯さも一定の法則性があるかのように、不思議と特定のグループにまとまり、平均化された行動を見せるようになります。実際、親しい交友関係にある人たちの平均像が自分自身とも言われています。別にそれ自体は悪くありません。友達を作り、そうした人間関係を基盤に恋愛もします。問題は不特定多数の流動的な集団で起きた場合です。現代社会は情報通信技術が発達しており、ネット上でそうした現象がしばしば見受けられます。互いに顔が見えず、責任の所在もないため、先鋭化して暴走、炎上騒ぎや極端な二元論での言い争いが起きやすくなります。議論は無意味であり妥協点を見出すことはできないので、各々が承認欲求の空回りによる一人相撲と化します。こうした人たちとは同じ土俵に上がらず、戒めとして距離を置いて見ているのが聡明です。

顔の見えない不特定多数の集団心理

集団心理学を研究する上で⋯顔の見えないネット上の人々は、ある意味で最良のサンプル母集団になると言えるかもしれません。匿名だけあり人間の本質が露わになりやすいとも言えます。具体的には⋯口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、フロイトの心理性的発達理論の各成長期特有の固着性格グループが、時間の経過と共に形成され、それぞれのグループ同士で対立したり連帯し始めます。テーマに応じて変化するもので、対立と連帯を繰り返し続けます。保守思想な人は愛情不足による反動から強さを求めているのかな?と思い口唇期固着性格グループになると考えます。リベラルは頑固で自分の考えを押し通そうとする傾向が強いので肛門期固着性格グループになるのかも。それぞれ、自分たちの課題、弱点や問題点も認めることで、理想を現実のものへ実現できるようになると思います。

人間の性格を大分類するもの

ただ、悪意からこのように考察している訳ではありません。この世に完璧な人なんて一人もおりません。フロイト心理学の各成長期における固着性格は、程度の差が大きく誰にでも見られるもので、それが「性格」なんだと説かれているものです。書く言う自分も男根期に固着している可能性があると自認してます。性欲に基づく点を特異的に思うかもしれませんが、人の性格を大まかに分類する上での目安となります。各成長期の固着性格要素を少しくらい持っている方が人間らしいと思いますし、悪要素やデメリットばかりでもありません。長所と短所を合わせ持つことで個性が生まれ、魅力的な一人の人間となり得ます。だから、ありのままの自分を好きになり、等身大の自分を受け入れることで、各成長期の固着性格要素は長所にすら変えることができるようになります。

すべての人の中にある悪

人間の性格は⋯幼少期から潜伏期までに由来する固着要素で構成されているとも言えます。基本的にネガティブな要素ばかりで、利発な子は潜伏期の早いうちから⋯どんな子でも遅くとも思春期までの間に、それに気づき葛藤や内省を通じて、一人前の大人へ成長して行くものです。まぁ、最近はモラトリアム傾向、子供っぽい大人が増えておりますが⋯思春期までにそうしたプロセスを上手く踏めなかった人達が増えているのかもしれません。そうした人達は口唇期から潜伏期までの固着性格も露わにもします。故にフロイト心理学は人間性悪説に基づく思想に近いと言え、個人的にも人間の本質は葛藤による変化だと考えています。昨今はそれを曲解したり避ける怠惰な者が増え、匿名性による安心感からかネット上で見事に可視化、わかりやすくコロニー化されている状況だと言えます。

議論の本質はどこへやら

葛藤による変化とは⋯大小様々な課題を心を抱え込みますが、その一番外側、大枠にあるものが幼児性欲から性器性欲への昇華だと言えます。匿名は何でも自由に発言できる気軽さ、本音のようなものが吐露できる安心感から、無意識に当人のフロイト的な固着性格も露わになりやすいと言えます。まぁ、本当に⋯ネット上では幼児性欲から脱皮し切れていない子供みたいな大人が目立つ。群衆が物議を醸しヒートアップすると、本来のテーマから議論が大きく逸れ始め、口唇期的、肛門期的、男根期的、潜伏期的なグループ同士が入り乱れ、争ったり協力し合ったりするようになる。政治や経済、事件事故に関する普通の話題が⋯なぜか男性vs女性、既婚vs独身、世代vs世代など、どうでもいい言い争いに変遷して行く。政策、原因究明と対策の議論はどこへやらである。

つづく