タルパ戦争序章|兵どもが夢の後

投稿日 2025.08.15 更新日 2025.08.15

 ここでタルパ界隈の歴史をまとめたい。

 離脱界隈の一部住人達の間でアストラルセックスのムーブが巻き起こり、オカルト雑誌ムーで紹介された人工精霊、タルパの話も相まって⋯⋯

 現在のタルパ界隈の元となったグループが出来上がったものと思われる。

 しかし、程なくして二つの派閥に分かれ、争いのようなものが生じ始めていた模様だ。幽体化の技法を巡る争いだ。

 一つは離脱界隈の思想をそのまま受け継ぎ、従来の実践手法を踏襲していたグループだ。これは後の科学派へ発展して行くグループとなる。

 もう一つはダイブを提唱、新しい実践手法に挑戦していた⋯⋯浮き草氏の率いていたグループとなる。

 サラシナ氏は前者のグループに近い立場にいたものと思われる。

 ただ、この二つのグループ⋯⋯

 それぞれの内部でも問題を抱えていた様子だ。

 前者のグループではニヒリズム、虚無主義が蔓延り始め、タルパとセックスする空想に耽りながら、ただオナニーをするだけの集団と化す。

 オカルト的な要素も薄れ退廃化、病み系界隈の住人、多くのメンヘラをタルパの世界に引き入れる遠因となった。

 これに対して、浮き草氏の率いたグループは⋯⋯

 前者のグループとは真逆の道を突き進むようにオプチミズム、楽観主義による形骸化が進み、実践性の怪しい拡大解釈された共有ダイブが流行り始める。

 共有ダイブは元々⋯⋯

 こんなこともできたら面白いだろうな⋯⋯そうした軽い気持ちから、浮き草氏がテレフォンセックスをヒントに拡張開発した派生技となる。

 しかし、当時のタルパ界隈民も承認欲求に囚われていた。

 Xでタルパ垢を開設して、タルパになりきっている者は目に余るが⋯⋯

 当時も当時で、ダイブによる交信で承認欲求を満たそうとする者が続出していた。悪用や乱用する者が徐々に目立ち始める。

 浮き草氏はこうした状況に至ったことを後悔、次第に憂い始める。

 本来、ダイブは自身のタルパと向き合うため、自身のタルパとセックスするために開発されたものである。

 こうして⋯⋯

 浮き草氏はすべてを無に帰したい思いに駆られ始める。

 きっと、ホロ女史をテレクラのサクラのように仕立て上げる形で、タルパ戦争のシナリオを草案、画策したに違いない。最後まで己自身に課した責任と使命を果たすべく行動を起こすのである。

 タルパ戦争で自身が育てたグループは壊滅的な状況に陥る。まぁ、浮き草氏本人はそれで良かったと思っているだろう。  

つづく