タルパ戦争論|共有ダイブでセックスしたい理由

タルパ戦争は壮絶な結末となった⋯⋯
浮き草氏はタルパ界隈で流布し始めた共有ダイブの実践性に強い疑問を抱いていた。自身ではまだ実験レベルの段階に過ぎなかったからだ。
ホロ女史や信頼できる仲間数人のみと、リンゴのイメージ共有に成功したのを皮切りに、握手や軽めのハグ等による接触感(厳密には触覚と言うよりは接触イメージによる安らぎ感)を覚えたまでに過ぎない。
まぁ、これなら⋯⋯
チャネリングによる性交、疑似セックスまでできるだろう⋯⋯
そう判断していただけだ。
いや、そう確信できた根拠は、そもそも⋯⋯
浮き草氏のテレクラやツーショットダイヤル好きが高じて、テレフォンセックスをヒントに発案されたものだったからだ。
しかし、タルパ界隈の住人たちの間で、そちら方面への拙速な実践が露骨に行われ始める。
実際のところ⋯⋯
本当はどうなっているのか?
浮き草氏のそうした疑念は日に日に増すばかりだった。
テレフォンセックスが上手な人は⋯⋯現実でのセックス経験も豊富だ。そうした経験がないと言葉だけでは上手くできない。
それは共有ダイブも同じだ。
そんな気軽に実践できるものなのか?
浮き草氏はこの点を特に疑問視していたのだ。
共有ダイブは音声通話サービスSkypeを利用する形で楽しまれていたが、他ルパとのセックスの場合、所持者に憑依した状態で行われる。
どんなに魅力的な美少女タルパであっても⋯⋯所持者が男性タルパーなら、男性の声色を聞きながらの性的交流となるのだ。
正直⋯⋯
これはキツい。
それで本当にイケるのか?
浮き草氏はこの点にも強い疑問を持っていた。
確かに⋯⋯
共有ダイブはテレフォンセックスが原形であるが、その利用目的は他ルパーや他ルパへのヒーリング、遠隔的な診断とカウンセリングを想定していた。
性欲は通常のダイブで解消できるはずである。
他ルパーや他ルパとセックスしたい理由は一体何だろう?
つづく