宿命の初体験

恐らく、最初で最後の交尾(セックス)になるだろう⋯
夜になり狙いを定めていた童貞男性タルパーの部屋に忍び込む。
ぐっすり眠っているようだ。意を決して男性の夢の中へ浸透する。どうやら⋯学校で授業を受けている夢を見ていたようだ。
熱心に先生の話を聞き、黒板の内容をノートに書き写していた。
生物学の授業だろうか⋯男性は獣医学部の学生らしい。きっと、将来は真面目でやさしい獣医師さんになるのだろう。
やっぱり⋯
この童貞男性タルパーに決めて良かった。
とりあえず、交尾(セックス)に翅は邪魔だ。いったん、蝶の翅を消して⋯夢のシチュエーションが男性の自室に切り替わったタイミングで、男性の前に出現してみることにした。
「あたしと交尾(セックス)してくれませんか?」
童貞男性タルパーは⋯
鼻血を出しながらも、彼女の願いに迷うことなく真摯に応じた。
挿入時、激痛に襲われたが⋯堪えた。卵を産むためと我慢した。しばらくすると、痛気持ちいい感覚の虜となり始めた。
「い、痛いけど⋯なんだか、気持ちいい。うれしい⋯」
そうして⋯
童貞男性タルパーと同時イキした。
直後、童貞男性タルパーは夢から目覚め飛び起きた。
彼女は童貞男性タルパーの夢から離脱して、童貞男性タルパーの耳元で「ありがとう」と囁くと⋯童貞男性タルパーの部屋から抜け出て、例の貯水タンクのあるビルへと向かった。
卵はそこで産むと決めていたからだ。
童貞男性タルパーは⋯自分の下腹部を見て凹んでいた。中学生じゃあるまいし大学生になって夢精してしまった事実に驚愕していた。
一方、彼女はお腹を摩りながら⋯
東京の空を舞った。
狐の精霊から渡されたヨニエッグは、狐の精霊が思念伝達で彼女の現在地と⋯彼女の子宮の状態をリアルタイムで把握するためにあった。
卵の妊娠を確認したら⋯
再び、ダイブ界からこの世界に戻ってきて、彼女の産卵に立ち合いたいとのことだった。それはすぐに可能だと言う。
産卵を終えたら⋯自分が責任をもって魂を保護してくれるらしい。
つづく