思春期の恋愛感情はイマジナリーフレンド的な心象世界

投稿日 2024.12.13 更新日 2024.12.14
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思春期は子供と大人の境界であり、幼児性欲を完全に脱して大人の性に目覚め、強い自立心を形成する大切な時期です。精通や初潮と言った体の大きな異変に驚き、徐々に強まり行く自我で周囲と様々な場面で葛藤します。肉体的にも精神的にも本当に不安定な時期となります。そんな中で抱く恋心⋯早い子だと小学生のうちに初恋をしますが、思春期における恋愛感情はそれとはまた違います。子供の恋は特別な友達と言ったニュアンスですが、思春期で抱く恋はフロイト心理学で言う性器性欲、誰に教えられた訳でもなく自然と理解したセックスを意識した上でのものとなります。異性の体に対する興味と自分の性に対する悩みが交錯する中、勉強や部活動に励まなくてもなりません。このため、自我を安定させようと、性欲に基づく様々な心理が働きます。

性器性欲の段階的な変質

大人の性に目覚める過程⋯思春期は、次の三段階に分かれるものと考えます。まず、精通や初潮と言った体の大きな異変に驚くと同時に、生殖器官に対する好奇心を覚え、オナニーを日常的に行うようになります。多くの場合、夢精や性器のうずきによる体液の漏出がそのきっかけでしょうね。自分の肉体を性的に意識する自己愛、性的自己愛で自我を強めて行きます。中二病は性的自己愛の肥大化が根本的な原因と言えるでしょう。しばらくの間、自身の体と向き合い、性的自己愛を堪能したら、性的他者愛を意識し始める過程へ進みます。生殖器官の本来の役目やセックスと言うものを知り、異性の体に対する好奇心で頭の中がいっぱいになります。そして、どうすれば異性と性的な喜びを共有、共感することができるのか⋯そのように悩み続ける過程が二十歳前後まで長く続きます。

セックスを知ることで終止符が打たれる中二病

余談ですが⋯程度の差こそあれ、誰にでも中二病的な気質は芽生えると思います。性認識が幼児性欲から性器性欲(大人の性)へ移り変わって行く過程で、一時的な戸惑いから、誤った方向に性欲の力を発揮させようとするのが中二病です。性欲の力が自身に対する誇大妄想的な万能感に摩り替わった状態⋯とも表現できます。しかし、セックスを知ることで性的自己愛は消失するので、中二病に終止符は打たれると思います。同時にオナニーに対する罪悪感、後ろめたさを覚え始めるのもこのタイミングだと思います。はじめてオナニーを覚えた時は、好奇心から純粋に面白がっていたり、楽しんでいたと思います。しかし、セックスの代替行為だと理解すると、これまで以上⋯性に対する強い恥じらいを再認識するようになります。そして、異性に対する妄想も膨らんで行きます。

こうして僕らは「性」で悩むようになる

性の悩みは⋯こうして、性に対する好奇心と罪悪感と言う相反する思考、矛盾から生まれます。オナニーはこれをより一層高めます。しかし、しない訳にもいきません。男子ともなれば定期的に出さないと夜寝ている間に大変なことになります。完全な生理現象であるため、破廉恥と一蹴するのは理不尽です。こちらの記事でも述べた通り、無限ループのような苦悩を緩和するためにも、オナニーは前向きな気持ちで済ませた方がいい。思春期におけるオナニーはある意味で第二の肛門期的な体感ができる精神的な成長過程とも言える。だから、計画的に決められた時間、場所でしっかり済まそう。幼少期における肛門期は自制心を覚える大切な育児プロセスとなるが、思春期の自慰行為は自分はどうあるべきか考えられる良い機会、自分らしさを確立する大切な行為となります。

自分の体と向き合うことで自己判断力や問題解決能力が養われる

幼児期の肛門期、トイレトレーニングは親の手助けがありましたが⋯思春期(性器期)は、すべて自分一人で抱え込むことになります。自身の体と向き合いながら、自分はどうあるべきか?自分は何をすべきか?実感すると思います。このため、自己判断力や問題解決能力が養われ、一人前の大人になるための基礎が出来上がって行きます。大人は自己責任の世界ですからね。また、思春期で抱え込む悩みは⋯何も性欲によるものに限りません。個人と社会の関係性、あり方を考えることも、自分らしさを確立するための大切な課題となります。それにより、時に親や学校の先生と激しくぶつかることもあるでしょう。身に覚えのある者は多いだろう。まぁ、この課題も根底では性的な心理が作用している訳ですが⋯兎にも角にも、思春期で拗れた者は高確率でダメな大人へ成長して行く。

自立した大人へ覚醒して結婚も意識され始める

以上の話は、おおむね、中学校を卒業するくらいまでに体験する過程になると思います。高校生ともなれば、異性と性的な喜びを共有、共感が主な課題となり悩み続けます。早い子だと高校生のうちに初体験を済ませ、人生で初めてのセックスに感動します。いずれにしても、第二次性徴期による体の急激な変化も落ち着き、肉体的にも精神的にも比較的安定して行きます。将来の進路も見え始め、それと並行するように結婚も意識し始めることでしょう。まぁ、女子のおませさんは、小学校高学年のうちから結婚について、同級生にアレコレと語っていますが⋯そんな子もこの時期になるとそれに関する話題で口数を減らすようになります。思春期は本当にだいたいこんな感じの流れになると思います。話が長くなりましたが⋯以降、タイトルの件との関わりについて考察して行きます。

思春期はイマジナリーフレンドが発生しやすくタルパも作りやすい?

思春期、中学校へ上がると、急激に忙しくなる⋯体と心が不安定な上、勉強に部活動と大変だ。疲労感から机の上でボーっとしているうちに、勝手に思考や感情が巡り⋯そう、白昼夢を一番見やすい年頃ともなる。多くは異性の体に関する事柄、空想だろうな。勉強と部活動以外で一番強く関心が持てるのはそれ以外にないだろう。イマジナリーフレンドは基本、幼少期特有の認知現象、先天的な生まれつきのものだが⋯まれに思春期近くで遅れるように発現する事例も少なくない。発生型タルパと称するものも、多くは思春期に現れて出て来たものとして紹介されている。遅延性のイマジナリーフレンドにしろ発生型タルパにしろ(個人的には同じものと考えている)⋯そうした精神的産物が、幼少期に次いで生まれやすい条件にあると言える。幼少期の存在が復活することもあるだろう。

思春期は幼児のように意識が混濁しやすい

脳が発達途上にある幼い子供は⋯顕在意識と潜在意識の境界が曖昧で、ちょっとしたことで変性意識になりやすい。また、大人になれば現実と空想の区別は付けられるようになるが、幼児は現実で空想したり、空想で現実を考えていたりする。そんな感じで空想の存在を現実のものと錯誤、信じ込み常態化したのがイマジナリーフレンドになります。恐らく⋯アニメや絵本の世界に夢中となり(当然、変性意識状態にある)、それによる学習的な情報体感で、空想の存在が作り上げられ、心に強く根付いて行くのだろう。これはタルパ作成における無意識化に相当するものと言えるのかもしれない。適度な疲労感で白昼夢を見やすく、子供と大人の境界で、新鮮な情報に接する機会が急激に増える思春期でも⋯これと似たような認知現象が一過的に起きている可能性はあると見ている。

思春期のイマジナリーフレンドは性衝動による後押しで発現

幼少期のものとの決定的な違いは、幼児性欲でなく性器性欲、大人の恋愛感情に基づく点だ。第二次性徴による体に異変と、それに伴う強い性衝動が干渉して来るだろう。やはり、性的魅力にあふれた容姿をした存在、美少女やイケメンとなるのは言うまでもない。しかし、以前にタルパセックス現象論の「思念体性欲コントロール仮説」でも述べた通り⋯性への好奇心と罪悪感によるジレンマ、葛藤の結果として、遅延性や発生型でも男子なら妹のようなガールフレンド、女子なら兄のようなボーイフレンドとして無意識に妥協的な認知を行い、近親相姦的な要素で性衝動を上回る強い自制心を養うようになるものと考える(同時に強い自我や自立心も確立する)。先天的なイマジナリーフレンドの消失防止原理と同様、思春期における余剰な性欲を、このような形で解消するのだ。

一定数の子の身に起きているかもしれない奇跡

まぁ、人により条件は違って来るので、中には同性の存在を発現させるかもしれません。その場合も⋯別に同性愛に目覚める訳でなく、多くは投影の心理が作用して、自分自身の性的魅力を高める目標、理想像のようなものとして、共に成長して行く大切な相棒となるだろう。個人的な推論、仮説となるが⋯思春期の性的自己愛の時期で発現するものは同性、性的他者愛の時期なら異性のイマジナリーフレンド(発生型タルパ)になりやすいのかもしれない。いずれにしても、体と心が不安定な思春期で、生まれて初めて不可視の存在を認知する可能性は大いにあり得ると思う。様々な理由で「性」で思い悩み続けるうちに、一定数の子の身にそのような奇跡が起こるのかもしれない。エッチなことを考えているだけで恐ろしいくらい深い変性意識状態になっている時ありますし⋯

肛門期に由来する空想セックス

幼少期の肛門期におけるトイレトレーニングは、股間の筋肉を意識する行為とも言えます。股間の筋肉は骨盤底筋や肛門括約筋などがあり、これらは性器と隣り合わせの位置にあります。このため下腹部、性器を意識して力もうとすると連動するように肛門も閉まります。その逆も然りです。幼少期に肛門で覚えた自制心は、運動神経を通じて脳にしっかり刻まれており、今度は思春期の自慰行為でそれを自己判断力や問題解決力へ結び付け、自我と自立心を養って行くものと考えます。セックスは本来、自立した大人の嗜みですから⋯将来の性のためにもオナニーを破廉恥、罪悪的なものと考えず、中高生は積極的にした方がいい。性に対してそう前向きに考えられるようになった子の中から⋯セックスまでできるイマジナリーフレンドが発生するかもしれない。