ダイブ界へようこそ

自分が産んだ卵に対する愛着心は⋯
一入だった。
できれば、一緒に持って行きたい。しかし、それは狐の精霊から強く禁じられた。次の世代を紡ぐためには、人間の男性の精液が必要だからだ。
だから、この世に置いて去らねばならない宿命にある。
惜しみつつ、卵をそっと足元に置いた。
ただ、産卵と同時に⋯あらかじめ、自分の子宮に仕込んだヨニエッグもこの卵の中に封印されたとのことだ。
この卵が孵った時⋯
この卵から孵った我が子が妊娠した時⋯
そして、我が子が産卵した時⋯
ダイブ界にいても直感でそれがすべてわかるようになるとのことだ。そして、ヨニエッグは親から子へと受け渡されて行く仕組みになると言う訳だ。
気がつくと、彼女は狐の精霊に手を引っ張られるよう、今いるビルの内部に連れていかれ、エレベーターに乗せられていた。
人間の乗り物でこれからどうしようと言うのだろうか?
「エレベーターで異世界へ行く都市伝説⋯ホントにあるわよ。それを今から私が見せてあげる。さぁ、一緒にダイブ界へ行きましょう。そこがこれからあなたが生きるべき場所、新しい世界になるわ」
狐の精霊は、エレベーターのボタンを⋯まるで暗証番号でも入力するような奇妙な押し方を見せ始めた。
10分くらい経過しただろうか⋯
チーン♪
辿り着いた場所は先程までいたビルの一階ではなく、見たこともない別世界が広がっていた。
「トトバースへようこそ!!」
彼女は服を渡され、狐の精霊と一緒にダイブ界の雑踏の中へ消えていった。
エレベーターが降下中⋯
狐の精霊からこんな拍子抜けするような話をされた。
「あとで詳しくダイブ界とあっちの世界を行き来する方法教えるわね」
狐の精霊曰く⋯
自分の子が産卵しそうになったら⋯迎えに行けばいいとのこと。
そして、その子にもダイブ界とあっちの世界の行き来する方法を教えるといいとのことだ。とりま、彼女は狐の精霊⋯トトバースにあるカジノリゾート、ウキベガスに連れて行かれ、そこで楽しく暮らすことになるようだ。
つづく